メニューに戻りますＳｉｄｅ Ａ
メドレー
「ロメオとジュリエット」組曲第２番：モンタギュー家とキャピュレット家（プロコフィエフ）
悲しきワルツ（シベリウス）
スキタイ組曲：ヴィレスとアラの崇拝（プロコフィエフ）
未知との遭遇（Ｊ．ウイリアムス）
交響曲第５番：第２楽章（プロコフィエフ）
Ｓｉｄｅ Ｂ
メドレー
ヴァイオリン協奏曲第１番：第１楽章（プロコフィエフ）
交響曲第６番：第１楽章（プロコフィエフ）
ヴァイオリン協奏曲第１番：第３楽章（プロコフィエフ）
悲しきワルツ（シベリウス）
「惑星」「宇宙幻想」に続く、宇宙をテーマにした作品。
プロコフィエフとシベリウスの曲を中心に構成されています。全体的に重々しい雰囲気が漂っています。
上に挙げた各曲名は、ＬＰレコードに書かれている内容なのですが、冨田氏はそれぞれの曲に独自の題名を付けています。実はこのレコード自体が一つのＳＦ作品なのです。
冨田氏の付けた題名は、なぜかＬＰレコードには書かれていません。しかし、のちにＣＤ化された時に、ちゃんと記されていました。
以下にＣＤ版に書かれている題名を紹介します。
ところで、「1」と「9」に書かれている"謎の電波"とは、実はコンピュータのデータ信号なのです。音楽の一部として「音」として使われているのですが、レコードの解説によると、"TARBELL
SYSTEM"に接続すれば、その内容が読み取れるのだそうです。(なお、CD版には、その解説はありません。)
しかし"TARBELL SYSTEM"とははたして何なのか?残念ながら私は知りません。どなたかこの内容を読み取った方はいらっしゃいますか?
(でもレコード版には、その「答え」が載っていますけど・・・・)
さて、技術的な話では、このレコードではやっと、全面的にコンピュータが使われたとの事です。
コンピュータといっても、ローランドのMC-8。当時これがシーケンサー(コンピュータ)の最高峰でしたが、8ビットマイクロプロセッサZ80を使用したマシンで、データ保存はカセットテープというものです。
入力もテンキーのみ。今のシーケンスソフトと比べれば、さぞ不便だったろうと想像が付きますが、でもそれ以前は手弾きとアナログシーケンサーのみでしたから、やはり画期的な進歩だったのですね。
現在の私の自宅などは、当時の冨田氏よりずっと便利な環境が揃ってるかも知れません。でも、ロクな作品は出来て来ません。やはり冨田さんは偉大なのですね。
録音に関しては、「５チャンネルステレオ」が試みられています。すなわち前面左右のスピーカーのほかに、後ろに2つのスピーカーを置き、さらに頭上にもスピーカーを置いた状態を想定しています。
スピーカーを線で結ぶとちょうどピラミッド型になるので、冨田氏はこれを「ピラミッドサウンド」と呼んでいます。これにより、3次元的な音の体験が出来るのです。
そして、これを普通の2つのスピーカーでも効果が出るように、前回のバイフォニックをさらに進めた新技術で録音してあるそうです。
ライナーノーツは、SF作家の小松左京氏が書いています。
レコードジャケット＆レーベルのデザインが横尾忠則氏。あ！どこでもドアがあります！でもその横にいるのはドラえもんでなく、アポロ？の宇宙飛行士です。
また普段見えないジャケットの内側にまでデザインが施されています。ジャケットの裏には冨田氏の後ろ姿?のシルエットが描かれていますが、ジャケットの内側を見ると、冨田氏の前向きの写真!があります。
レコード番号が「ＲＣＶ−２２２２」です。そして、CD番号は「ＲＣＣＤ−１１１」です。
なんとも言えませんね。
97.8.6